- 「どうしてもお金を借りることが必要!」
- 「今すぐお金を借りてなんとかしないと」
といった状況は、誰にでも起きる可能性があります。
まずは落ち着いて自分ができることを考えてみましょう。緊急性が高いのか、それとも残っているお金がそろそろなくなる程度なのかで対応も変わります。
まずは次の3つの項目について考えてみましょう。
お金借りるなら金利のことを考えよう
①最も低金利は公的機関
お金を借りるというと、アコムやプロミスといった消費者金融業者や、三菱UFJ銀行や三井住友銀行などの銀行のカードローンなどを思い浮かべてしまいがちですが、公的な機関からの融資も考えておきましょう。
公的な融資は手続きは面倒ですし、誰にでも利用できるほど簡単ではありませんが、かなりの低金利、または無利息で借りることができます。
借入できる人は主に失業などによって一時的に生活が困窮した人です。生活を立て直すための経済的な自立を支援するために設けられたもので、ある程度の条件が必要となります。最も利用しやすいのは「生活支援費」という制度で、主に低所得者世帯を対象としています。
どの程度を低所得というかというレベルは様々な基準がありますが、市町村民税が非課税な程度であれば充分に対象となります。このレベルの人は、消費者金融業者などの金融機関からお金を借りることが困難とされているため、公的に支援することになっています。
特徴的なのは超がつくほどの低金利です。総合支援資金のうち生活支援費の金利は以下のように定められています。
・連帯保証人がいる場合:無利子
・連帯保証人がいない場合:年率1.5%
銀行や消費者金融業者から借入するよりも遥かに低い金利となっており、利用できれば返済も楽です。10万円借りても、1年間の利息は1500円にしかなりません。ただし、手続きは煩雑ですし、申し込みから実際の融資までおよそ1ヶ月ほどかかります。
自治体によって申込方法や条件について異なりますので、役所の社会福祉協議会に相談してみましょう。ハローワークでも相談できます。
②比較的低いのが銀行
お金を借りるというと銀行をイメージする人は多いでしょう。消費者金融から借りるよりも安心感があり、近年では個人向け融資にも積極的な姿勢を見せています。
金利は、消費者金融よりも銀行のほうが低い傾向です。平均的には銀行の金利は年率4%から14%程度、消費者金融は最高で18%ほどですので、銀行のカードローンはお得にお金を借りることができると言っていいでしょう。
また、銀行はいったん決めた限度額が減額されるということがありません。消費者金融では限度額が減らされることがありますが、銀行ではそういったことはありません。限度額の範囲内で自由にお金を借りることができるのは、銀行のカードローンです。
ただし、金融業界では「金利が低いほど審査が厳しい」のが常識なので注意しましょう。金利はお金を借りるときのレンタル料のようなものです。レンタルしたものが返済されないリスクがあるとき、レンタル料を高くしてそのリスクに備えようとします。
逆に、返済してくれる可能性の高い人はその分だけレンタル料は安くなります。お金の貸付でも同様で、金利というレンタル料が低い分だけ返済能力があるかどうかを厳しく審査されます。
③比較的高いのが消費者金融
消費者金融業者のメリットは、素早く借りることができるという点です。大手の業者なら全国に無人契約機を設置しており、インターネット申し込みにも対応しているため、申し込みしたその日のうちに借りることができます。
こ希望する限度額次第ですが、必要なのは本人確認となる運転免許証やパスポートなどの書類くらいで、最短で30分くらいで現金を手にできます。あまりにあっさりと契約できてしまうので拍子抜けするくらいに簡単に借入できるというのが消費者金融の良い点です。
ただ、銀行に比較すると金利は高めに設定されています。とはいっても、法律で定められた上限を超えることはありません。消費者金融というと高金利で取り立ても厳しいというイメージの人も多くいますが、法律は遵守しています。
利息制限法にのっとった金利を適用しており、貸金業法に定めらた以外の取り立てをすることはありません。
【法定上限金利】
元本10万円未満:20%
元本10万円以上100万円未満:18%
元本100万円以上:15%
消費者金融業者に申し込みすると、多くのケースで「利用限度額50万円以内・金利18%」が適用されます。借りやすく審査も銀行よりも甘い傾向がある分、金利は高いというのが消費者金融業者です。
金利で考えると質屋は高くつく
銀行や消費者金融業者には、審査があります。申込者に返済能力があるかどうかを調査することは法律でも定められており、審査次第では借入契約を結ばないこともあります。この点では使いにくいとも言えるでしょう。
こういった金融機関よりもたやすくお金を借りることができるのが質屋です。担保にできる品物さえあれば借りることができ、無職でも学生でも専業主婦でも問題ありません。誰にでも利用できる街の金融機関が質屋です。
質屋でお金を借りることを「質入れ」と言います。身分証明書と担保となる品物を持参して査定してもらい、その場でお金を貸してくれます。混み合っていなければ借入まで長くて10分程度で済みます。
このとき、借入する本人に対する審査はまったくありません。どのような人でも、身分証明書と質に入れることのできる品物があればお金が借りられます。質入れできる品物の代表は時計やブランド品などですが、これ以外でも家電やパソコン関連の物品なども質入れできます。
質屋に品物を預けるとお金を借りられますが、基本的には3ヶ月以内で月単位での返済を想定して利息を取ります。この利息が払えないときには質入れした品物の所有権は質屋に移ります。いわゆる「質流れ」という状態です。
実際に質屋で借りた場合の利息ですが、これは消費者金融業者や銀行に比較して遥かに高いレベルです。たとえば大手の質店である大黒屋の利息は以下のようになっています。
借入額 | 毎月の金利 | 1ヶ月の利息 |
10万円 | 5.0% | 5000円 |
80万円 | 4.0% | 1万6000円 |
200万円 | 3.0% | 2万5000円 |
10万円を1ヶ月借りて利息が5000円かかるということは、年率に換算すると100%以上になります。消費者金融業者が年率18%程度、銀行が14%程度と考えると、かなりの高金利であると実感できるでしょう。
意外な実力者・信用金庫
あまり知名度はありませんが、全国にある信用金庫は非常に低金利な個人向けカードローンを取り扱っています。審査の面でもあまり厳しくないところもあり、お金を借りようと考えている人はぜひ検討してみましょう。
信用金庫は1つのエリア内に2つも3つもあることはなく、居住地または勤務地によって利用できるところは1箇所しかありません。申し込んだ信用金庫から融資されないときにも、他の信用金庫で再チャレンジということにはなりません。
信用金庫は、営利を目的としない協同組織による地域限定の金融機関です。地域で集めた資金を地域のために運用するというのが信用金庫法という特殊な法律によって定められています。そのため、大きく派手に宣伝されることはありません。
そのため、あまり目にすることもありませんし、利用している人が周囲にいるということもあまりないでしょう。とはいっても、かなりの低金利で借入できるため、隠れた実力者のような存在です。
たとえば、東京都豊島区にある巣鴨信用金庫が提供する個人向けの「ミニカードローン」は、利用限度額が30万円・50万円・100万円の3種類だけで、適用される金利は年率13.5%となっており、消費者金融業者や銀行と比較しても低金利です。
借りやすさで比較すると
スピードが早いのは消費者金融
借りるまでのハードルが低いのは、消費者金融です。個人の消費者向けのローン商品を長年取り扱ってきた歴史があり、審査のノウハウも蓄積されているため、申込者本人に大きな問題がない限り、ほとんど申し込み即日で融資されます。
審査のハードルも低く、多くの場合で正社員だけでなく派遣社員や契約社員、アルバイト、パート、自営業者でも融資を受けることが可能です。
どの業者の審査が甘いのか、または厳しいのかは一概には言えませんが、業者自身が公表している数字によると、成約率の高い業者はアコム、アイフル、プロミスの順になっており、特にアコムは発表されるたびに1位となっています。
アコムは多くの銀行の審査も担当しており、かなりの審査ノウハウを持っていると推測されます。
無人契約機に本人確認書類を持っていけば、その場で契約書に記入のうえ審査を受けることが可能です。審査に通過できれば、ほとんどすべての契約機に併設されているATMで借入することができます。
審査の混雑具合にもよりますが、契約機に着いてから1時間もあれば借入までの手続きを済ませることが可能です。
銀行は多少遅い
銀行のカードローンもかなり多くの利用者がいます。金利が低く銀行という安心感があるため、三菱UFJ銀行や三井住友銀行のカードローンは人気があります。
ただ、銀行は審査が消費者金融業者に比較して多少複雑であるため、申し込み当日に融資を受けることは困難です。申し込みの翌営業日が最速でしょう。
そのようななかで、最も審査が早く終わるのが三菱UFJ銀行のバンクイックです。審査を担当するのは保証会社でもあるアコムで、この点でも審査がスピーディであることに納得できるでしょう。
三菱UFJ銀行の支店には「テレビ窓口」というカードローン専用の申し込みコーナーがあります。ここで手続きをすればカードはすぐに発行されます。審査は最速で翌営業日で完了し、すぐにATMで借入できます。
三井住友銀行のカードローンも利用者が多く、審査もスピーディです。三井住友銀行に普通預金口座があり、給与振込口座に指定してあり、いわゆる「メインバンク」として使っているときに審査が若干緩くなる傾向があると言われています。
この他、みずほ銀行やりそな銀行もカードローンを発行していますが、これらも審査は早くても翌営業日から2営業日ほどかかります。金利が低い分だけ消費者金融業者よりも審査では不便を感じるでしょう。
利用限度額も高めに設定しているというのも、銀行のカードローンの特徴です。
信用金庫は独特
信用金庫の審査は独特です。元から利潤目的ではなく、地元の経済に資することが目的となっている金融機関であるため、銀行や消費者金融業者にはない独自性があります。
審査の難易度はそれほど厳しくないと言われており、一定の条件を満たす人であれば問題なく低金利でカードローンを持つことができます。
ただ、審査に必要な書類が多く、用意するのに手間と時間がかかります。また、審査の回答が出るまでに早くて3営業日ほど、長いと1週間程度かかることもあります。
申込先の信用金庫の営業エリアに居住または勤務していないとならないため、審査に厳しめのところに申し込んで否決されても、次のチャンスがないということもあります。
公的機関から借りるのは時間がかかる
公的機関からお金を借りる方法はいくつかありますが、いわゆる「お役所仕事」であって、非常に時間がかかります。
どの制度を利用するにしても、まずは自分が居住している市町村の社会福祉協議会に相談するところから始まりますが、そこから申請して役所がその人の年収や生活の状況から融資が必要と判断されれば申し込むことができ、さらに手続きが必要です。
申し込みから融資まではおおよそ以下のような流れになります。
社会福祉協議会に相談
市役所・区役所などにある社会福祉協議会で担当者に融資を受けたいという意志を伝えます。
申し込み
申込用紙に年収や家族構成などの必要事項を記入します。消費者金融業者のようにパソコンやスマホでさっと入力して送信というわけにはいきません。
必要書類の提出
必要書類の種類も多く、用意するのに時間がかかります。本人確認書類・家族構成がわかる住民票などの書類・保証人の収入を証明する書類・自立計画書・個人情報提供の同意書などが必要になります。
審査
申込者の属性や書類から融資していいかどうかを判断します。審査の結果は担当者から直接通知されます。
融資
実際に融資を受けることができるまでに、最短でも2週間かかります。
審査は必ずある?
どの金融機関から借りても審査はある
お金を借りるときには、必ず審査はあります。というのも、貸したお金融機関と借りる本人は、まったく知らない者同士だからです。付き合いのある友人なら、その人のことを良く知っていますので、信頼できるかどうかを判断できるでしょう。
何かあったときに「今お金がないんだ。貸してくれないか」と持ちかけることは友人同士なら可能でしょう。ところが、金融機関と申込者はこういった関係にはありません。その人がどの程度信頼できるのか、金融機関は何の情報も持っていません。その人を知るために審査が必要になります。
もし借りた人がお金を返済してくれないと、業者としても損失になってしまいます。どこの誰かも分からない人に簡単にお金を貸すことはできません。金融機関と申込者をつなぐ信頼は、本人に返済する能力があるかどうかです。
そのため、審査では申込者に返済能力があることが確認できなければなりません。だから申し込みのとき勤務先や勤続年数、年収などの個人情報を提供するのです。金融機関はこの情報を元に返済能力があるかどうかを調べます。
金融機関には、今まで利用者にお金を貸してきた実績があります。これまでのデータの蓄積から、「こういった会社にこの程度の年数勤めている人なら返済能力があるだろう」と判断して審査に通します。
逆に、収入が少ない人が高額の融資を希望したとき、返済能力は疑われます。「これほどのお金を貸しても返ってこないだろう」と判断されれば審査は否決されます。
審査の重要項目は?
安定した収入
お金を借りる審査で重視されるのは、本人に収入があるかどうかです。年収の額が多いほうが有利であるのはもっともですが、重要視されるのは、収入の多さではなく安定性です。通常、お金を借りたときには返済は一括払いではなく分割になります。
分割することで毎月の負担を小さくして、数ヶ月や数年かけて完全に返済します。そのため、給料の高い・低いよりも安定して収入を得ていける見込みがあることが重要です。
また、カードローンの審査でいう「収入」は基本的に働くことによって得られるお金のことを指します。会社員であれば給与所得、個人事業主なら事業所得が「収入」にあたります。
年金などの労働以外で得るお金や、株やFXなどの投資による利益はカードローンの審査においては収入には含まれません。学生が実家から仕送りを受けているときにも、これを収入とは考えません。
毎月決まった日に給料を得ていることが収入の安定性であって、このことが証明されたとき、審査に通過できます。
信用情報
「信用情報」という個人に関する情報も、お金を借りる審査では重視されます。これは、カードローンやクレジットカードなどの利用履歴のことです。こういった金融商品を利用すると、その履歴は個人信用情報機関というところに保管されます。
ローンの申し込みのときに、同意項目が列挙されますが、そのなかにも「信用情報機関の情報を閲覧して申込者の履歴を確認すること」に同意するという項目があります。
信用情報機関には、個人のカードローンなどの契約や借入金額、返済状況などが記録されています。普通に利用している分には、あまり問題になることはありません。借りたお金や分割払いの支払いなどに遅れがなければ、ここで審査にマイナスの要素は生じません。
注意したいのは、携帯電話やスマートフォンの利用料金の延滞です。こういった端末の代金は、通常は通話料金などに上乗せして毎月分割払いで支払っています。利用料金の延滞は、そのまま分割払いの遅れとなって信用情報に記載されます。
審査落ちの要因として多くあることが報告されています。注意しましょう。
審査落ちしたらどうすべき?
カードローンなどを普通に利用している分には、審査でマイナスとなることはありません。クレジットカードなどの支払いに今まで遅れたことがなく、支払日にしっかり引き落としされているなどの場合には問題視されることはないでしょう。審査落ちで良くある理由には以下のようなものがあります。
すでに借りすぎている
貸金業法では、貸金業者からの借入は利用者本人の年収の3分の1までと制限されています。総量規制という規定で、かなり強い法律のひとつです。すでに他社からの借入でこの金額を超えてしまっているとき、消費者金融業者の審査に通ることはありません。
近年では銀行も総量規制を自主規制として審査に採り入れており、年収に比較して借りすぎているときには、審査は否決されます。
希望限度額が高すぎる
収入に見合わない限度額を希望すると、それだけで審査に落ちてしまいます。最初は無理のない金額を希望しましょう。まずは必要最低限の額で申し込みするようにすると、審査は楽に通ります。
おおよその場合、消費者金融業者でも銀行でも、初回契約では限度額10万円から30万円程度が限度額として設定されます。ある程度個人属性のいい人であれば50万円という限度額がもらえることもあるでしょう。
消費者金融業者では1社につき契約金額が50万円以上、他社との合算で100万円以上になるとき、収入証明書の提出が求められます。逆に考えると、この範囲内であれば大きく問題視されることはありません。
信用情報に問題がある
信用情報に問題があるとき、審査には通りません。過去に長期の延滞があるときや、金融事故を起こしたことがあるとき、信用情報機関にネガティブな情報が記載されて審査落ちします。
申し込みブラック
短期間に何件もの業者に申し込むと、それだけで審査に否決されます。たくさんのカードローンの申し込みをしているとき、金融機関は何か問題のある人なのではないかという見方をします。
それほどお金に困っているのか、返済能力が低い人なのではないかと推量されてしまいます。「数撃ちゃ当たる」と思って、むやみに多くの業者に申し込むのは危険です。目安としては1ヶ月に3件を超える申し込みがあると厳しいと言われています。
「無審査・審査なし」と言っているのは闇金
闇金は通常の消費者金融業者とは違って、正規の登録を受けていない組織です。正規の業者は法律を守ってお金を貸してくれますが、闇金は法律を守ることはありません。
良くある闇金被害が「法外な高金利で貸し付けられた」というものです。通常、貸出金利は年率で18%程度です。最も高い金利は年率20%です。闇金はこういった法律を無視して法外なほど高金利で貸出します。
闇金で使われる金利に「トイチ」というものがあります。10日で10%の金利とするものです。これは年率に換算すると365%となります。ときには10日で30%という「トサン」などという金利で貸そうとしてきます。
取り立ては貸金業違法では着信は1日3回まで、午後8時以降の取り立て行為は禁止などと制限が設けられています。闇金はそういった法律は守りません。
深夜だろうと早朝だろうと電話を掛けてきたり、自宅にやってきたりします。職場にも実家にも連絡が行きます。脅しや拉致、暴力といった強引な取り立てをすることもあります。
闇金はお金に困っている人に巧みに近づいて甘い勧誘文句で誘いをかけてきます。決して手を出さないようにしましょう。
まとめ
お金を借りるには様々な方法があります。自分の状況に併せてふさわしいところを選択していきましょう。金利や借りやすさなどを参考にして、計画的に借入することが必要です。