どうしてもお金借りる必要があるのに、審査に通らないと人間は焦ってしまうものです。金融機関の審査に落ちて、理由も分からないということは特に珍しくありません。
落ち着いてよく原因を考えてみましょう。金融機関から審査の基準を教えてもらうことはできませんが、状況別に対処の方法はいくらでもあります。落ち着いて行動しましょう。
審査に通らない理由は何?
他社からの借入が多い
消費者金融業者には貸金業法という法律が適用されます。ここには「総量規制」という規定があり、「利用者の年収の3分の1以上の貸付をしてはならない」とされています。年収が300万円の人は、貸金業者から借りることができるのは100万円までとなります。
これに抵触すると厳しい罰則があるため、貸金業者ではかなり注意を払っています。審査に通らないというとき、この総量規制を超えた額を借りていないか調べてみましょう。
対象となるのは、消費者金融業者などの貸金業者とクレジットカードのキャッシング枠です。キャッシング枠との合算となることは、あまり知られていません。ここで引っかかってしまっているケースは多くあります。
また、貸金業者の審査では他社の借入件数も重視されます。借りている金額が総量規制を超えていなくても、借りている業者の数が多いときには審査には通りません。一般的に、貸金業者では増額申請よりも新規申し込みのほうが審査に通りやすい傾向があります。
増額申請に通らなかった人が、他の業者の新規申し込みの審査には通るのは良くあることです。そのため、借入件数が多いということは増額申請の通りにくい人であり、利用状況として決して良いとは言えません。
業者にもよりますが、すでに4件の借入先がある人は審査通過はほとんど不可能と言われています。
借入件数と審査
件数 | 審査への影響 |
---|---|
1件 | 問題なし |
2件 | 返済状況次第だがほとんど問題なし |
3件 | 注意すべき人と判断 |
4件 | 属性が悪いときには審査は否決 |
5件 | 新規借入はほとんど不可能 |
金融ブラックの状態である
金融業者の審査に通らない原因として多いのは、信用情報でブラックリスト入りしていることです。ローンやクレジットカードを利用した履歴は個人信用情報機関という場所に保存されています。
「ブラックリスト」という名称は一般的にも使われますが、金融に関してこういう名前のリストがあるのではなく、個人信用情報機関に以下のような情報が登録されることを言いいます。
情報の内容 | 掲載期間 |
---|---|
2ヶ月から3ヶ月の延滞 | 契約終了から5年 |
任意整理や個人再生などの債務整理 | 5年 |
強制解約 | 5年 |
自己破産 | 10年 |
その他の審査に悪影響のある情報
情報の内容 | 掲載期間 |
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短期間での複数ローン申し込み | 最後の申し込みから6ヶ月 |
解消済の3ヶ月未満の延滞 | 2年 |
こういった情報は掲載期間が終了するまで情報機関に保存されます。いったんブラック状態のなってしまうと、掲載期間が終了するまで通常の金融機関の利用は不可能になります。新規の申し込みの申請はまったく通りません。
ただ、一部の小規模な業者ではブラックリスト入りしていても借りることが可能です。この情報の利用はあくまで業界の自主的な規制であって、法律上はブラックの人に貸してはいけないとはされていません。
安定した継続的収入とみなされていない
会社からもらう給料には、継続的に得られること、金額の変動が少ないことという特徴があります。
そのため、会社から毎月給料をもらっているのであれば、正社員であっても派遣社員であってもアルバイトであっても、安定しているとみなされますし、毎月安定した事業所得のある個人事業主でも申し込みは可能です。
ただ、消費者金融業者を利用する人は、70%以上が6ヶ月以上、50%以上が1年以上で返済しているというデータがあります。そのため、消費者金融業者は申込者の収入の変動性や継続性について慎重に審査を行います。
収入の変動性・継続性を推し量る基準は以下のようなものです。
基準 | 安定性がある | 不安定である |
雇用形態 | 正規雇用 | 非正規雇用 |
勤続年数 | 勤続年数が長い | 勤続年数が短い |
勤続年数は安定性においては重視されます。一般的に1年・3年・5年という単位でプラス要素として加点されると言われており、10年であれば勤続年数においては高く評価されます。アルバイトやパートであっても、勤続年数が長い人は審査では有利になります。
逆に正社員であっても転職したばかりの人は、マイナスの評価を受けます。最低でも3ヶ月は勤続していることが必要とされています。勤続年数が短い人が、高額の融資を申し込むと審査では不利になります。
希望限度額が高すぎる
消費者金融業者では総量規制があるため、年収の3分の1以上の借入はできません。銀行のカードローンでも自主規制によって、この総量規制とほぼ同じ基準を適用するようになっています。
総量規制を超えて借入ができないのは法律上当然ですが、それに抵触しない程度の希望限度額であっても、必要以上に高額の融資を申し込むと審査では不利になります。そのため、もし高額の融資を申し込むと、業者のほうで「この限度額で良いのか」という確認の連絡が入ることがあります。
収入に比べて高額の融資を申し込むと、返済管理能力を疑われることがあり、最悪で審査に落とされてしまいます。
金融機関への申し込みでは、審査に通ることが第一目標です。まずは少額で良いので審査に通りましょう。初回契約ではあまり高額を期待せず、実際の利用で実績を積むようにしましょう。借入をして、それを遅れることなく最低返済額以上の金額を淡々を返済していけば、いずれ業者のほうから増額の打診が来ます。
逆に、ある程度の年収があり総量規制に達するのに余裕のある人が10万円程度という少額で申し込むと、業者のほうからこの金額で良いのかという確認が入ります。
そのまま契約して返済実績を積むと、早ければ3ヶ月程度で増額の打診がメールや会員ページなどから寄せられることがあります。契約当初は限度額を控えめにするというのが、審査に通るコツです。
記入した内容の誤り
単純な理由ですが、申し込みフォームなどに記入した内容に間違いがあるとこいには審査に通りません。単純な入力ミスでも、審査する側から見ると故意になのか純粋なミスなのか判断が付きません。良く起こるのが数値の入力ミスです。
・住所の番地
・勤務先の電話番号
・年収
・借入額
・自分の電話番号
こういったミスは非常に多いことが報告されており、入力では慎重になりましょう。借入額を一桁間違えたら、それだけで審査落ちする可能性があります。
消費者金融業者では、1社につき50万円以内、他社との合計で100万円未満になる申し込みでは収入証明書を提出しないで良いことになっています。銀行のカードローンでは300万円までの申し込みなら収入証明書は提出しないで良いというところもあります。
だからといって、年収を多目に申告するのは非常に危険です。金融機関には、今までの申込者のデータが保管されています。そのため、会社の規模や勤続年数、年齢などから申込者の年収をかなり正確に推測することができます。
なかには、同じ会社の同じ勤続年数の社員が申し込みしていることもあります。このときに見栄を張って多めに年収を申告すると、後から収入証明書の提出を求められて、もし申告内容に誤りがあると審査落ちする要因となります。数値は正確なものを間違いなく入力するようにしましょう。
どうしても審査通らないときにやるべきこと
支払いの滞納の相談先を確認
もし、どの金融機関に申し込んでも審査に通らなかったとします。そのときには、お金を用意するという方向性ではなく、現状で迫りつつある支払いを先送りしてもらうという解決策も考えるべきでしょう。
とりあえず待ってもらって、金策を後から考えるという方法です。できれば、借入先を探しながら支払いを待ってもらって、お金が用意できたところで支払うといった小技も必要かもしれません。
「今月の支払いは遅れそうだ」「支払い日にお金が用意できなさそうだ」と思ったら、期日の前に連絡しましょう。カード会社も消費者金融業者もこういった相談には慣れています。
支払えないとか返済する意志がないといった無理は通りませんが、利用者の現状に合わせて対応してくれます。
消費者金融業者やカード会社に相談することで可能になるのは以下のような対応です。
・返済額を減らす。
・返済期限を待ってもらえる。
・利息のみの支払いにしてもらえる。
返済額は、毎月いくらなのか事前に契約などで決まっているはずです。業者としては「毎月このくらいは最低限返済してください」という額です。限度はありますが、これは相談次第でわりと簡単に減額してもらえます。
また、利息のみの支払いというのも多くの場合で可能です。業者とすると、返済に苦しんだ挙げ句に自己破産されてしまったら、貸したお金はまるごと損失になるため、なるべく支払ってもらう方向性で考えてくれます。
業者やカード会社によっては、返済期日をネットの会員ページから簡単に変更できることもあります。
家賃の支払いの相談をしてみよう
賃貸に住んでいる人にとって家賃は支出のうち大きな割合を占めるでしょう。おおよそ1ヶ月に入る収入のうち4分の1から3分の1程度は家賃として支払っているのが平均的です。大きな金額を支払っているため、お金に困っているときに家賃の支払いを待ってもらえたら、かなり楽になるはずです。
家賃の相談も、支払日よりも前に相談するようにしましょう。黙って未納・滞納にするのは危険です。
良く言われることですが、家賃を滞納したからといって一方的に家を追い払われることはありません。法律の条文でも「何ヶ月滞納したら賃貸契約を解除できる」と規定されているわけではありません。
かといって、居直ってしまうのも社会人として問題でしょう。一般的には家賃の滞納の限界は3ヶ月と言われています。払う意志があり、収入があれば3ヶ月以上の滞納はしないというのが不動産業界で考えられる限界です。
3ヶ月以上の滞納があったときには、大家や管理会社のほうから「信頼関係の破壊」にあたるとして、賃貸借契約の一方的な破棄や強制退去させられる危険があります。
生活費が足りないときは専門家に相談
借入金の返済や家賃の支払いができないくらいになったら、その段階ですでに生活費も足りなくなっている可能性があります。
消費者金融業者から借りようとしても総量規制めいっぱい借りており、どこからも借りられず、しかも公的な支援が認めれるほどの生活困窮状態でもないという状態のときが、ある意味最も苦しい段階です。
借金の返済ができないために家賃を滞納したり、公共料金を滞納したりしている場合は、早い段階でどこか適切なところに相談することが大切です。それぞれの状況に応じて適切なアドバイスができるのは、法律の専門家です。
地域の生活相談員でもいいでしょう。社会福祉協議会に相談するのもひとつの方法です。一人で抱え込んでいては問題は解決しません。
闇金は絶対に利用しない
お金を借りたいのに審査に通らないというとき、「審査なし」「無審査」などのワードで検索すると多くの業者がヒットします。
ホームページには「審査なしで貸します」「誰にでも貸します」「ブラックOK」などと記載されていて、思わず手を出しそうになりますが、こういった文句の記載しているのは100%闇金です。絶対に手を出さないようにしましょう。審査なしでお金を貸すのは正規の業者ではあり得ません。
闇金には以下のようなリスクがあります。
・法外な金利で貸し付けられる。
・強引な取り立てにあう。
・生活を脅かす。
・個人情報が流出する危険がある。
・家族や職場に被害が及ぶ。
近年では「個人間融資」というものもあります。インターネット上の掲示板やSNSなどを通じて個人が個人にお金の貸し借りを行うもので、審査なしでお金を借りることができます。
この個人間融資も闇金の手口のひとつで、やはり法外な金利で取り立てを行ったり、個人情報を流出させたりします。
ネット上だけのやり取りなので、SNSであればアカウントを消してしまえば証拠も残りません。多くの被害が出ていることが報告されています。絶対に関わりを持たないようにしましょう。
審査通らない人でも借りる可能性のある業者
フクホー
通常の消費者金融業者では審査に通らない人でも借りることができる業者の代表が、大阪府にあるフクホーです。大阪の業者ですが、ネットで全国から申し込み可能です。申し込みは24時間受け付けており、即日融資も可能です。
すでに他の業者で落ちてしまって困っているという人でもフクホーに申し込めばその日のうちにお金を借りることができる可能性があります。審査が柔軟とはいっても、消費者金融業者ですので総量規制以上の借入をすることはできません。
無職や専業主婦も申し込みできません。ただし、働いていれば正社員でなくても、アルバイトやパートでも借入可能です。
フクホーのフリーキャッシングの概要
申込条件 | 20歳以上の定期的な収入と返済能力のある人 |
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借入限度額 | 5万円~200万円 |
金利(実質年率) | 7.3%~20.0% |
返済期間 | 最長5年以内 |
担保・保証人 | 原則不要 |
セントラル
セントラルは愛媛県に本社を置く消費者金融業者で、近年は関東地方にも支店を出しています。ここも、他社では断られた人にも貸出をする業者で、ネット上では比較的有名です。インターネットを通じて全国から申し込むことができます。
融資は振込でも対応していますし、ローンカードを使ってセブン銀行のATMを利用することも可能です。1973年創業という老舗で、他社に比較して金利が低いためお得に借入できるメリットがあります。豊富な融資実績があり、金融事故経験者や債務整理経験者などにも積極的に融資しています。
セントラルのカードローンの概要
申込条件 | 20歳以上の定期的な収入と返済能力のある人 |
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借入限度額 | 1万円~300万円 |
金利(実質年率) | 4.8%~18.0% |
返済期間 | 1回~47回 |
担保・保証人 | 原則不要 |
フタバ
フタバは東京都にある消費者金融業者で、他社での審査が通らない人でも借りられる可能性があります。1963年創業で、高い信頼性があります。最短で即日融資にも対応しており、緊急の用立てにも役立ちます。
「自己破産・債務整理等されている方もまずはご相談を」という記載がかつてホームページ上にありました。最近は削除されていますが、これは貸金業者協会の自主規制に従ったものと推測されます。
現在でもブラックリスト入りや延滞経験者、債務整理経験者など他社では審査が通らない人に積極的に融資しています。限度額が少ないというデメリットがあり、初回契約時には20万円前後が設定されることが多いので注意しましょう。
フタバの商品概要
申込条件 | 要審査(特に記載なし) |
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借入限度額 | 10万円~50万円 |
金利(実質年率) | 14.959%~17.95% |
返済期間 | 2回~72回 |
担保・保証人 | 原則不要 |
申込条件に特段の記載がありませんが、民法上は20歳未満の人には消費者金融業者からのキャッシングはできません。
また、返済能力についての審査がないと貸金業法に抵触するため、審査そのものは実施されると考えていいでしょう。
中央リテール
中央リテールは「おまとめローン」の専門会社です。他の複数の借入先からの借金を一本化するためのローンだけを取り扱うというユニークな業者です。貸金業法に基づくおまとめローンで、借り換えの対象となるのは貸金業者からの借入債務です。
契約では来店が必須となっており、東京都渋谷区にある店舗に必ず行かなければなりません。来店して「必ず返済したい」という申込者の意志を確認して融資するというスタイルです。
来店必須はかなり厳しい条件ですが、他のおまとめローンの審査に落ちてしまうような人にも融資するため、全国から来店者がいます。
中央リテールのおまとめローンの概要
申込条件 | 要審査(特に記載なし) |
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借入限度額 | 500万円まで |
金利(実質年率) | 10.95%~13.0% |
返済期間 | 最長10年以内 |
担保・保証人 | 原則不要 |
おまとめローンなので、金利が低いのが魅力です。また、返済期間が最長で10年と長期の設定になっているため、じっくりと返済できる点もメリットでしょう。
ライフティ
ライフティも、他では審査が通らない人にも融資する業者として知られています。東京都の新宿区歌舞伎町にあり、最短30分で審査が完了するという業界でのトップスピードの融資の早さです。
おまとめローンも積極的に取り扱っており、複数社からの借入のある人におすすめできます。親会社は「株式会社ビジネスパートナー」という法人・個人事業主抜けのローンの専門会社で、業界では大手です。
新宿歌舞伎町の業者というと、何か怖そうなイメージがありますが、実際には安心して利用できる業者です。
申込条件 | 20歳~69歳 |
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借入限度額 | 1000円~500万円まで |
金利(実質年率) | 8.0%~20.0% |
返済期間 | 最長10年以内 |
担保・保証人 | 原則不要 |
まとめ
審査に通らないというのは、それなりにきちんとした理由があります。自分のどこがマイナスポイントだったのか振り返ってみましょう。
借入先は銀行や消費者金融業者だけでなく、公的な機関もありますので幅広く検討しましょう。